グラフィックデザイナーが子どもに読んだ絵本

グラフィックデザイナーでカエラー母が子どもに読んだ絵本やカエル本を紹介していきます。

あんかけちんげんさい先生に入門だ!

「なぞかけどうじょう」

中川 ひろたか さく 大島 妙子 え 金の星社

 

なぞかけどうじょう

 

息子がいつだったかテレビでねづっちを見てから
一時なぞかけにハマってたので
たまたま図書館で見つけて
(カエルも表紙にいることだし!)
借りてみました。

 

なぞかけどうじょう



そのこころは次のページなので
ページをめくる前に

こうかな、うーんわかんない、と
ひとしきり考えて結構楽しんでました。
小学校の読み聞かせにもオススメです。

あんかけちんげんさい という先生の名前も素敵 笑

 

わたし的には答えページの絵がかわいくて
絵だけ見てても楽しめます。
特にラッパを吹きながら道場の廊下を
ぞろぞろ行進してくる
たくさんのはかま姿の猫たち!

かわいすぎる!

おきゃくがおります ぞろぞろ ぞろぞろ

「がたごと がたごと

内田 麟太郎 さく  西村 繁男 え 童心社

 

がたごと がたごと

 

たたずまいも現代というより
だいぶ昭和な電車にお客が乗り込み

 

がたごと がたごと

 

あら不思議。

 

駅に着いたら動物になっちゃった。

 

また電車は走り出し

 

がたごと がたごと

 

景色がどんどん怪しくなり

 

なんと今度は妖怪に。

 

またおきゃくが乗ります

 

ぞろぞろ ぞろぞろ

 

さて、次は・・・?

 

リズムがあるし、ページごとに人が変わっていくので
年齢的には3〜4歳から楽しめると思いますが
お客が何に変身したか
一人ひとりウォーリーのように
探し出すのも楽しいので
小3になった息子も おもしろ〜〜い と
何回も見てました。

大きい子向けに人の数を増やしたり細かくした
バージョンを出してほしいな〜

チョキ.チョキ.チョキ.チョキ.チョキ.

「とこやにいったライオン」

サトシン さく  おくはらゆめ え 教育画劇

 

とこやにいったライオン

 

まずはモッサモサのこんがらがった巨大毛玉と化した
ライオンに心奪われ、

 

思いがけず床屋さんがカエルだったので
カエラーの心は3ページ目で鷲掴みされました。
しかもカウボーイ姿!笑

 

チョキ.チョキ.チョキ.チョキ.チョキ・・・
と、カエルの床屋さんは
ライオンのたてがみを切っていくのですが

 

この後のページは必見です。

 

子どもも私も大爆笑です。


そして、冷や汗?あぶら汗?を垂らしながら
無理くり誤魔化そうとするカエルと
あまりに考えなさすぎなライオンが
かわいくてかわいくて。


これ、
おくはらゆめさんの絵だからこその
本だと思います。
いや、すばらしい。

もう三疋の姿は見えません。

画本 宮澤賢治「蛙の消滅」

小林敏也 好学社

 

蛙の消滅

 

 イラストレーターの小林敏也さんが
ライフワークにしている、画本 宮澤賢治の1冊。

十数年前、カエルの絵本を集めていた時に
美しい装丁と絵に惹かれて購入。

 

蛙の消滅

クラッチで描かれている絵を数枚重ねて特色で印刷。
その繊細で美しい線画、透明感のある色、使用されている紙、

全てに想いが行き届いていて絵本というより

 

素晴らしいアートブックです。

 

が、

 

ずっと本棚にあると思っていたのに
たまたまネットで見かけて、
そう言えばうちにあるはずだし
そろそろ子どもに読めるかな、と探すも見当たらず。

引越しの時に間違ってどこかに紛れたか・・・

 

で、買い直そうと調べたところ、
今販売されているのは
好学社の2015年の復刊版。

 

私が持っていたのは今はないパロル舎版。

 

ああ〜〜、なんでなくす!! 自分に怒!

 

今の好学社版とはインクも紙も違うそうです・・・涙。

 

 

 

でも買いました。

だってほんと素敵な本だもの。

 

現在、画本 宮澤賢治は14冊出てますが
全部揃えたいくらいどの本もめちゃ素晴らしいです。

 

内容は宮澤賢治なので、言わずもがなですが・・・

現代のやさしくキレイでマイルドなお話とは違い
うす暗くてちょっと怖い世界観、皮肉な死。
いいオトナの私が今読んでも、読後ずう〜ん、と
強い印象が残ります。

でもこういう絵本も必要よね。

 

すじおやじ はじ そうじ

「はやくちことばで おでんもおんせん

川北 亮司 さく  飯野 和好 え くもん出版

 

はやくちことばでおでんもおんせん

 

毎日寝る前は、最低でも1冊本を読む時間にしているのですが
時間が遅くなった時に、いつの間にか定番になったのが
この絵本。

読むと言っても1ページに1つずつの早口言葉なので、
2人で交互に読んでも、あっという間で
しかも楽しく、ホンワカした気分で寝られます。

タイトル通り、おでんの具たちが温泉に入ったり
卓球したり、マッサージしてもらったり、の
シーンに早口言葉が添えられていて
しかも、みんなお汁がよく染み込んだ
いい色をしていること!
さすが、大御所飯野和好さんです。

2017年初版で、出版後割とすぐ購入したはずなので
息子は小1、小2、明日から小3なので、3年越しのお気に入り、
になりそうです。

早口言葉がちゃんとは言えなくても
絵もかわいいし、大人と一緒に声に出して読めるので
4〜5歳あたりからずっと楽しめます。

おしろの こどもは ふえる ふえる・・・

すてきな 三にんぐみ

トミー=アンゲラー さく  いまえ よしとも やく 偕成社

 

すてきな 三にんぐみ

 

トミー・アンゲラー(ウンゲラー)はフランス人の児童文学作家・イラストレーター。
グラフィック系の人なら知らない人はいないくらい有名ですが、割と不気味なタッチも多くて好みは分かれるかも。
私も昔はあまり好きではなかったけど、子どもに絵本を読むようになって、改めて何作か読み直したら、ジワジワと良さがわかってきました。

 

このお話は恐ろしい山賊が、たまたまさらってきた女の子がきっかけで、家族のいない子どもたちを引き取って、ついには村までできます。
悪い人は悪いことしかしない、わけではなく
世の中は一面では測れないというのは
今の時代にこそ、いつも心に留めておくべきメッセージだと思いますが

私は何と言っても、三にんぐみの黒いシルエット!
表紙だけ見ても明らかですが
簡略化された黒い山賊たちの描き方とブルーの背景のバランス、ページごとについ唸ってしまいます。

 

初版は50年前ですが、全く古さを感じさせない
永遠の名作です。

キダマッチ先生はひょうばんの名医です。

キダマッチ先生!1 先生かんじゃにのまれる

今井恭子 さく  岡本 順 え BL出版

 

キダマッチ先生!1 先生かんじゃにのまれる

 

キダマッチ先生はどんな生き物でも直してくれる名医です。
トカゲ、アリ、ウサギ、メダカ、クモ、キリギリス、ヘビ…
大きい牛だって一人で治療するので、時には命がけです。

あることがきっかけでカエルらしい食事はしなくなり、
いつもジャムパンやおにぎりを食べています。

そして、治療費もジャムパン2つ分でいい、
なんて言ってるので
奥さんは都会に出て行ってしまいました。

治療の合間に「もう帰ってきてもいいだろうに・・」と
ブツブツぼやきながら、今日も先生は大忙しです。

こういう隠れた名作を見つけるとまた宝物が増えた気分。
しかもカエル本。
このシリーズは息子も好きなようで、
寝る前の読み聞かせに定期的にリクエストされます。